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どっちが変? 324 名前:どっちが変? ◆FhLepFtlNE [sage] 投稿日:2009/07/30(木) 13 50 20 ID zqNYuV+T <どっちが変?> 「ゴラァ大型ぁ! おとなしく罪を償えッッ!」 学校内を疾走する、大柄な体格のリーゼントが特徴的な青年、大型台。今の彼には逃げねばならない理由があった。 彼には覚えの無い疑惑が掛かっており、美術教師である真田基次郎が鼻息荒く、必死になって彼を追っかけているのである。その疑惑とは、美術室内にあった花瓶が割れた事。 窓側に飾ってあった花瓶が、彼が美術室に入った瞬間割れてしまったのだ。それも彼が美術室に忘れ物を取りに行く為、一人で教室に入った瞬間に。 全ては学校内に紛れこんだ近所の子猫が起こした惨事なのだが、台のビジュアルは、偶然見かけた生徒には即、悪事を行っていると映ってしまったことが不幸である。 「俺がやった訳じゃねーのに……ちぃっ!」 台は厄介事を増やさぬよう、廊下を激走しながら他の生徒にぶつからない様に絶妙に避けながら、真田から逃げる。 しかしだ、台は悩んでいた。逃げるのは良いが、何処まで逃げ込めばいいのか考えていなかったのだ。右往左往しながら、隠れられる場所を探す。 だがどの教室も台の大柄な体を隠せるようなスペースは見つからない。もうすぐ教職員達が追いついてくる。 気づけば屋上近くまで台は走っていた。目の前には、屋上に続く階段。どうする……台は葛藤する。だが後ろから追って。迷っている時間は無い。 ふと台の脳裏には、ある男女の事がよぎる。確か下級生の男女……風の噂で聞く、平凡な男と変わった女のカップルだ。 変わった女の方は学年内ではかなり人気が高いらしく、男はその女と釣り合いが取れるか疑問な程、秀でた所がない平凡な男らしい。 台は気に入らない。まるでどこぞのラブコメの様なカップルを認める訳にはいかない。ちょうどいい、事が収まるまで逃げ込むと共に、例のカップルを〆てやるわ! 意気悠々と階段を昇り、台は屋上へのドアを開いた。 瞬間、台の耳に爽やかなギターの音が聞こえた。清々しい晴天が彼を迎え入れる。 さぁ、噂のカップルは何処に居る? 台は鋭い眼光で周囲に目を向ける。だが、カップルはおろか人っ子一人……待て。 台が視線を正面に向ける。演奏が途絶えると共に、ギターを担いだ一人の少女が、台に気付いて静かに振り向く。 「向田……じゃないか。どちら様ですか?」 少女が抑揚の無い声で台にそう聞く。あっけに取られていた台ははっとすると自慢のリーゼントを撫でて、少女に自信満々の声で答えた。 「おいおい、この学園で俺を知らないとは……俺の名は大型台っ! 二科学園では札付きの悪として知られてい」 「ごめんなさい、聞いた事無いです」 台の自己紹介を、少女は一刀両断する。それから少女は台を気にせずギターを弄りはじめる。 台は唖然とする。他の生徒達は自分のルックスに対して怖がったり怯えたりするが、この少女は違う。 全く物怖じする事も無い。かつ、堂々ときつい台詞を返す。度胸があるのかそれとも天然なのか……と、ここで台は思い出す。 確かこの少女の名は天月音菜。スペックが高いものの、変人であるが故に他人を近づけさせない謎に満ちた少女である。 それ故に教員たちも手を焼いていると聞く。それだけ独特なのだ、天月音菜は。だからかもしれない。自分に対してさっきの様な反応を取るのは。 ……やはり噂は伊達では無いな。それならば俺の名を覚えさせてやろう! 台はふんっと鼻息を鳴らすと、天月に指を指し、高らかに叫んだ。 「そうか、なら改めて覚えろ! 俺のは大型台。この二科学園を配下に置く札付きの悪って事をな!」 「先生―ここに花瓶を割った犯人がいますよー」 「ちょ、待て!」 台は慌てて天月に対して刺した人差し指を口元を立てるジェスチャーをした。 屋上に続くドアから、階段を上がってくる音はしない。台はふっと胸をなでおろし、天月に言った。 「お前……ビビらせんじゃねーよ!」 「ごめんなさい先輩。私なりのジョークです。意外と臆病ですね」 そう言って天月はふふっと笑ってみせた。その笑みは、台にとって天使の様な悪魔の笑みに見えた様な、見えなかったような。 と、台は天月は自分を先輩と呼んだ事に気がつく。 「そういやさっき。俺の事先輩って言ったな?」 「えぇ、実は知ってました。相当変わってる人だって事で学園では有名ですよ。大型台先輩」 「……知ってたのかよ。というか……自分で言うのもおかしいが、俺はお前ほど変では無いと思う」 台の言葉に天月はワザとらしく頬を膨らませ、反論する。 「変じゃないです、個性です。先輩のリーゼントと同じです」 「いやいやいや、お前の方が変だって! つか俺のリーゼントは男としての勲章だ! 個性なんてあやふやなもんじゃねえ!」 台は天月に対して自らのリーゼントを自慢げに決める。天月はその様子に口元をニヤニヤさせるだけだ。 突如ドアを勢い良く誰かが開けた。その音に驚き台が振り向くと、相当走ったのか大量の汗をかいて呼吸を整える真田が立っていた。 「真田っ……」 「やっと……やっと見つけたぞ大型! さぁ……正々堂々と白状してもらうぞ!」 その時、真田の足元を一匹の子猫が通り過ぎた。猫は台も通り過ぎて、天月の足元を嬉しそうにゴロゴロと転がった。 天月がしゃがみ、猫のお腹を撫でる。ふと、天月は猫が何かを咥えている事に気付き、ギターを背中に回した。 子猫を抱き寄せ、じりじりと迫る真田と下がる台の真ん中に乱入する。二人とも何事かと反応を示す。 「真田先生、ちょっと待って下さい。確かに大型先輩はすぐに悪事を起こしそうなルックスですが、それだけで判断するのはこれいかにと」 「天月、これは俺と大型の問題だ。お前は口を出すな」 「出します。無実の人が罪に問われるのを見てるのは気持ちの良い光景ではないので」 そう言いながら、天月は掌から何かを取り出す。真田が天月が出したそれを見ると、真田は驚きの表情を浮かべた。 「む、これは首輪と……破片?」 「えぇ、恐らく私が抱えているこの子猫は、花瓶の近くで遊んでいた所、花瓶に首輪が落ちてしまい、取ろうとしたんだと思います。 それで花瓶の所をうろちょろしていたら花瓶が割れて、その時最悪のタイミングで大型先輩が入って来た為、他の生徒に誤解されたと」 真田は唸った。ここで認めると、自分が大型を追いかけ回したのが凄く酷い事に思える。 だが素直に間違いを認めるのも何だかな。しかし天月の掌の上には、確固たる証拠が。ここは…… 「……分かった。すまなかったな、大型。だがちゃんと校則は守れよ。それと学業にも力を入れろ。以上だ」 台と天月に背を向け、真田が校内に戻っていく。その様子を見送った台は、握り拳を作ると、思いっきりガッツポーズをした。 「よっしゃー!無実の罪が晴れたぜ!」 「良かったですね、先輩。感謝なら、タイミングよく現われた子猫ちゃんに言ってください」 天月がそう言いながら、台に抱いている子猫を寄せる。台は踵を返した。 「漢は小動物には反応しない。……お前の方から後で感謝しておいてくれ」 「……変わった人ですね。やっぱり」 天月の台詞に、台は笑顔で返す。 「お前ほどじゃないさ」 台も校内に戻り、屋上には天月と子猫の一人と一匹だけだ。子猫を膝の上にのせた天月は、歌を口ずさむ。 何処までも続く青空に向かって おわり 前:小鳥遊雄一郎は空を見上げ思考する 次:先輩、休み時間です!
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【検索用 とっちかおこのみ 登録タグ VOCALOID と 人間どっく 曲 曲た 鏡音リン】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:人間どっく 作曲:人間どっく 編曲:人間どっく 唄:鏡音リン 曲紹介 ←→ 曲名:『どっちがお好み?』(どっちがおこのみ?) 人間どっく氏の4作目。 歌詞 どっちがお好みですか? どっちがお好みですか? どっちがお好みですか? どっちがお好みですか? かわいい顔した女の子 でも性格が最悪な子 不細工顔した女の子 でも性格かわいい女の子 どっちがお好みですか? どっちもお好みですか? どっちがお好みですか? 完璧な子がいたらいいな どちらが好みと問われたら どちらも取りたい我がまま あーどうして世界は 自己中心的な心しか見てないの? 嫌、嫌、嫌嫌嫌 小さな部屋の中 一人つぶやいた ぼんやりとした昼下がり 顔がイケメンな男の子 でも性格が最悪な子 不細工顔した男の子 でも性格優しい男の子 どっちがお好みですか? どっちもお好みですか? どっちがお好みですか? 完璧な子がいたらいいね! その内側のトランプ見せてよ 中身は一体何が書かれてる 見え見えの嘘を吐き続けないで 持ち手を全部、当てて見せましょうか 「どっちがお好み?」 どちらが好みと問われても 僕には関係ないから あーどうして世界は 自己中心的な心しかみてないの もう嫌になるわー 【すべて虚言癖な偽善を並べた】 これで世界は回るよ コメント 「どっちがお好み?」がかわいい! -- 名無しさん (2013-01-15 09 05 22) 名前 コメント
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99 名前:通常の名無しさんの3倍 :2012/10/31(水) 03 44 07.08 ID ??? アホ毛「ん~………やっぱこっちのほうが………」 ネーナ「ちょっと、何をさっきからぶつぶつと言ってるのよ。怖い怖い」 アホ毛「うん、『ネーナ・ガデューカ・アスピス』と『ギリ・トリニティ』、どっちが語呂がいいかなって」 ギリ「おい、なんであいつはさっきから茹でダコで硬直してるんだ?なんかうわ言みたいに呟いてるし」 アホ毛「サーナンデダロウネ」 101 名前:通常の名無しさんの3倍 :2012/10/31(水) 04 59 20.10 ID ??? 99 いい加減アホ毛のことルナマリアって呼ぶのやめろよ 102 名前:通常の名無しさんの3倍 :2012/10/31(水) 06 43 36.19 ID ??? 101 逆だ逆ーー!!それだとアホ毛が本体でそれ以外がオプションになってしまうーー!! 103 名前:通常の名無しさんの3倍 :2012/10/31(水) 07 50 30.96 ID ??? メイリン「えっ!?」 シン「へ?」 レイ「もしかして 102は頭から下が本体とでも思っていたのか…」 メイリン「ナイナイ」 ルナマリア「あーんーたーたーちー!(怒」 シン「ルナが怒ったーw」 メイリン&レイ「「きゃーっ!w」」 ラクス「いつも仲良しさんですね」 キラ「そうだね」 アスラン「そう…なのか?」
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140 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2008/11/07(金) 00 48 47 ID ??? じゃあぷち報告 コンベンションで予定していたシステムが定員割れで不成立だったり、 希望の卓に割り当てられなかったら即座に帰る奴がいる ってのを盛大に犯罪者のように叩きだす運営スタッフ どっちが困? 152 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2008/11/07(金) 01 44 44 ID ??? 140 運営側から言わせて貰えば、 マジ勘弁、空気嫁って一瞬だけ頭をよぎるけど。 コンベンション自体が初めてで一緒に来た身内のいるその卓に どうしても入りたかったとか。場合によって印象は変わるしね。 件の様な人間は、犯罪者のように叩きだす運営理念だって事を 念頭に置いた運営スタンスなら良んじゃね? (そのスタンスのコンベに行きたいかは別話で。) 漏れの考えでは、即座に返してしまった時点で運営ミスかと。 出入り口で捕まえて、一言だけでも話をして 参加の意思確認出来る様になりたい。 そんなことより。 馬鹿馬鹿。 なんで、こんな面白かっこいいとこに飛び火させて メールくれないんですか21さん! 土曜でキャンペーンも最終回ですか。 お疲れ様でした。 皆、元気そうで何よりです。 スレ207
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405 名前:通常の名無しさんの3倍 :2013/05/18(土) 01 06 11.06 ID ??? 404 シャア「私としては、マリア氏よりマリナ氏の方が母性感じるのだが、 やはりロ…いやそれはやめとくか」 ウルベ「まだだ…まだ次なるターゲットは残っている 次は、えっと(メモ帳見る)アホ毛が有名なルナマリアか… アホ毛がアレだから良い逸材になりそうだな…」 407 名前:通常の名無しさんの3倍 :2013/05/18(土) 01 44 03.08 ID ??? 教団の女王や海賊のお頭やってるマリアさんに比べてルナマリアやってるアホ毛さんの格落ち感よ マリアにルナをつけたのが間違いだったのかもしれん。改名してみる? トニヤ「それを棄てるなんて」 マリュー「もったいない」 409 名前:通常の名無しさんの3倍 :2013/05/18(土) 03 36 59.99 ID ??? つまり ルナ(アホ毛スタンド)とマリア(アホ毛)で ルナマリアってこと? 410 名前:通常の名無しさんの3倍 :2013/05/18(土) 22 12 22.47 ID ??? 409 ルナマリア「ちょっと待ってよ!?じゃあ人としての私は何なのよ!? というよりも人としての私がルナマリアよ!」 メイリン「そうよ!これじゃお姉ちゃんが○魂の新八みたいじゃない」 レイ「待てメイリン。本当にそれがルナマリアか? アホ毛と赤髪の女子、どっちがルナマリアだ」 シン「両方ともルナマリアの写真だけど」 メイリン「アホ毛」 ルナマリア「!?!?」∑(;・д・) ネーナ、ルー、ファ、ルイス、セシリー「アホ毛」 ルナマリア「ちょっとみんな!?」 シン「アホ毛がじゃあ…」 レイ「あぁ…アホ毛がルナマリアで、人の部分はアホ毛刺しだ、と」 ハマーン「そうだったのか」 カティ「これで謎は解けた!」
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No シナリオ名 内容 119 どっちが美人? 寄り合い所で料理を振舞うと、ラナンシーとグウレイグのどちらが美人か、口論している客が、英雄妖精に意見を求めてくる。返答によっては、ラナンシーとグウレイグのどちらかを仲間にする機会が得られる。 ▼噂話 「私が世界で一番可愛い、ってこの前ここに来ていた男の人に言われたの。冗談でも褒められると嬉しいわ♪」 「女性同士の喧嘩って、ドロドロしているよな~。俺は、絶対仲裁になんか入りたくないね。」 「一度で良いから、両手に花って状態になってみたいよ。おっと、かみさんに聞かれたら、また喧嘩だな。」 ▼イベント発生 発生エリア:III 発生レベル:6、11 寄り合い所で振る舞うと発生 【占い師】場所指定のみ ▼イベント詳細 1.寄り合い所で振る舞うと、クルラコーンとレプラコーンがラナンシーとグウレイグのどちらが美人かで言い争いを始める。 クルラコーンがラナンシーの方が美人だろう?と英雄妖精に同意を求める。 はい→3. いいえ→2. 2.レプラコーンがやっぱりグウレイグだろう?と同意を求める。 はい→4. いいえ→イベント終了 3.寄り合い所を出て町中を歩いているとラナンシーが現れ仲間に入れる選択をしてイベント完了 4.寄り合い所を出て町中を歩いているとグウレイグが現れ仲間に入れる選択をしてイベント完了
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もうできねえ、やーめた こらこら途中で投げ出してしまう人間と最後まで諦めない人間、どっちが格好良い? 無理なもんは無理だろ、物理的に不可能なことをやり続けることより、広い視野で他にできること探した方が良いぜ お、おら、ぜったいにあきらめないだ、さ、さいごまで、やりとげるんだ 諦める人の方が格好良い
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865 名前:通常の名無しさんの3倍 :2011/07/17(日) 23 04 51.40 ID ??? プル「フロスト兄弟がうざい っていうけど、どっちが一番うざいの?」 シャギア「それはもちろんオ…」 オルバ「兄さんに決ま…」 シャギア「…」 オルバ「…」 プルツー「あの…姉さんに悪気はないんだ…無邪気なだけで…なんかその…すまん」 866 名前:通常の名無しさんの3倍 :2011/07/17(日) 23 32 13.35 ID ??? ガロード「どっちが一番うざい? 両方に決まってるだろ」 867 名前:通常の名無しさんの3倍 :2011/07/17(日) 23 40 19.12 ID ??? ガロード(そして1番可愛いのはティファ) ティファ「・・・・・///」
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810 名前:NPCさん[] 投稿日:2008/04/12(土) 18 29 00 ID 3tRwGZBi ラスボスに命乞いされても TRPGなんだし、最後は派手に戦闘しないとな 811 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2008/04/12(土) 18 30 02 ID ??? 810 TRPGなんだし、最後は派手に戦闘しないとな そして、商業キャンペで死人を出して 「俺のせいじゃない」って書くんですね わかります 818 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2008/04/12(土) 18 45 27 ID ??? 811 ブレカナで話がこじれて、殺戮者と不闘のままシナリオ終わりそうになり、 PCたちがDP下げるために悪鬼羅刹のごとくボスを追い掛け回したことならある。 「ま、待て! お前俺とは戦わないんじゃなかったのか!?」 「うるせぇ! 俺のために死ねぇええええっ!」 「ぎゃーっ!?」 問題:どっちがマローダー? スレ168
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第19話 どっちが化け物? 「大きいわね」 ネーデ人の女性チサト・マディソンは目の前にいるなんとも大きな亜人に度肝を抜かれた。 その亜人はゆうに3メートルはあろうかという大きさである。 チサトはため息をつく。人相学を習っていないけれど、絶対に分かることがある。 凶悪そうな顔つきを見るかぎり、けっして友好的とは思えない。 (こんな、巨大な化け物が参加しているなんて予想外だったわ。まあ、十賢者も化け物じみてるけどね) それでも、半ばあきらめ気味で聞いてみる。 「あなたは、殺し合いに乗っているの?」 亜人が黙っているので、チサトは言葉が理解できないかと思ったが。 「モチロンだ」 と答えた。 一番最初にあった奴がこんな奴で最悪だわと、チサトは己の不運を嘆いた。 どうにかして、主催者ルシファーと戦ってくれる方向に持っていけないのかと考える。 自分の直感だが、この亜人はプライドが高そうに感じた。自分の記者魂がそう心に訴えかける。 プライドを燻ってみるか。 「ねえ、あなたはルシファーと名乗る人間に従うつもりなの?」 亜人は嫌な事を聞かれたのか、少し黙った後に答える。 「ニンゲンのサシズを ウケルのは ハラダタシイが 我らブラッドオークが ドノ種族ヨリも スグレテイルコトを 証明スルイイキカイだ」 チサトはしめたと思う。さらに煽る。 「それでも、人間のいうこと聞くんだね?最後まで生き残っても優れてると思わないなあ。 結局のところルシファーに従っているんだし、恥ずかしくない?」 そう言うと、亜人は突然、雄たけびをあげ、怒り出した。 チサトはいきなりの態度の変わりようにおどろく。 「ヴゴォォォォーーーー!! ソンナコト ワカッテオル だが クビワが ツイテイル以上 ドウニモナラン ダカラ貴様を コロス」 亜人は怒りながら、こちらに向かってくる。 チサトはちょっと待ってと声を張り上げ、ある提案をする。その言葉に亜人は足を止めた。 「それならさ、私と一緒に首輪を外す方法を探さないかしら。私の知り合いに、 適任の人が二人ほどいるのよ。だから一緒に手を組まない?」 そう手を差し出す。 亜人は腕を組み、考え始めた。 亜人が考えている間、チサトは天に自分の味方になってくれるようにと祈っていた。 が、無常にも、期待どおりにはいかなかった。 「コトワル」 チサトの心の中で何かが音を出して崩れだした。 「貴様とて ニンゲンで アル以上 シタガウキハナイ」 チサトは今までの苦労は何だったのと、今にも泣きたい気分になった。 だが、亜人はまだ続ける。 「ダガ 我がブラッドオークには ホウ ナドはナイが タッタヒトツダケ 掟がアル『強き者に従え』ソレダケダ 俺を シタガイ サセタイナラ 俺に カツコトだ」 そう言い終えると、咆哮をあげる。それが開戦の合図となった。 チサトは自分の努力もむなしく、結局戦うことになって虚しくなった。 けれども、相手に勝てれば、仲間になってくれるところまで、引っ張れたのが唯一の救いだ。 その前に、 「ねえ、約束して。私が勝ったら私と一緒にルシファーと戦ってちょうだい。 後、私とあなたじゃ。体格に差があるから、あなたを地面に倒したら勝ちにしてくれない?」 と、前約束を取り付ける。 亜人は余裕があるのか、いいだろうと言う。 チサトはこれでかなり同等の立場にもってこれたと心の中でガッツポーズをとる。 チサトは相手と間合いを取り、分析する。 見た目で判断するなら、完全な格闘タイプであろう。紋章術等などの特殊な技は使えるとは思えない。 武器は持っていないが、奴の巨大な拳を一撃でも受けたら、致命傷は免れない。 (やれやれ、これは大変だわ) 自分がボロ雑巾のように吹っ飛ばされるところを想像すると身震いする。 この身長差だと、腹に攻撃を当てるだけで精一杯である。 だからチサトは足を重点的に攻めることにした。そうすれば、相手は倒れてくれるだろう。 チサトはじりじりと相手の距離を詰める。相手は腕が長いので、自分から遠い間合いから攻撃してくるはずだ。 だから相手が攻撃したときが、私のチャンスである。そのときにカウンター攻撃にはいる。 そして、ある地点まで間合いを詰めたとき、予想どおり拳を振り落としてきた。 チサトは思った以上の攻撃スピードに内心戸惑ったが、その攻撃をぎりぎりでかわす。 「約束は守ってもらうわよ」 チサト一気に自分の間合いに入り、左足を軸に右足で相手の左ひざに蹴りを入れる。 ひざに蹴りがヒットし、そのまま蹴りの連打に移るつもりだったが、 バックステップを踏み、相手の間合いから離れる。 (予想外だわ、なんて硬さなの) 奴を蹴ったときの感触。まるでゴムタイヤのようだった。 あのまま、蹴り続けても相手をこかす前に攻撃を受けてしまうだろう。 それに、最初の拳のスピードすらぎりぎりで避けるのが、いっぱいいっぱいなのに、あの間合いだと確実である。 「サッキの イセイは ドウシタ コンナコウゲキ デハ 俺は タオセンゾ」 「あーら、戦いはこれからじゃない。せっかちな男は嫌われるわよ」 と、強がりは言うものの、相手の攻撃を避けつつ、確実にダメージを入れるのはとても骨が折れる。 自分には紋章術のような技もないし、どうしよう。 そう思い悩んでいると、亜人は横に振り向き傍らにあった木を掴み、雄たけびを上げる。 「ヴガァァァーーーーーーー!!」 チサトにそんなまさかと悪寒が走る。 すると、みるみるうちに木が上へ上へと持ち上げられ、すっぽりと抜けた。 こんな簡単に抜けるものかと思うほどあっさりと抜けた。 チサトの心臓が高鳴る。 規格外 このパワーは規格外だ。 あまりの光景にチサトは怯むが、すぐに気を戻す。 刹那、亜人は脇に木を挟み、そのまま腰をきり、薙ぐ。 チサトは考える間もなく、一瞬の判断でその場にしゃがむ。髪の毛がすうっと擦れる音が聞こえた。 (やっばー、運良く、避けられたが、今度はどうなるか判らないわ) とにかく、相手の間合いに入らないようにすぐに大きく距離をとった。 相手は第二打を喰らわそうと構えながらじりじりと近づいてくる。 (こうなったら、袖が破れるからあんまりやりたくないが、あの技しかないわね。 ……もって2分ってとこだけど、十分だわ。神宮流体術の真髄をこの目に見せてやるわ) チサトは目を閉じる。 亜人はチサトが目を閉じたので、戦うのをあきらめたと思ったのか笑みを浮かべる。 「ドウシタ ニンゲン モウ アキラメタか」 呼吸を整え、心を無にする。 相手の言葉が聞こえる。 風が鳴る音が聞こえる。 草木が揺れる音が聞こえる。 自分の心臓の音が聞こえる。 自分の血液が流れる音が聞こえる。 そして両腕に流れる血液に気を注ぎ、気を練る。 チサトの腕の筋肉が隆起する。 それはまるで鋼鉄――――剛の塊。 「さーて、やりましょうか。戦いを」 チサトは全力で亜人の元へと駆ける。 亜人は突然のチサトの変貌と自分に向かってくる早さに驚きつつも木を薙ぐ。 チサトに振り切った木が直撃しようとする。だが、チサトはものすごい速さのそれを両手で押さえる。 その反動で足元が1メートル後ずさり、地面に跡が残る。 亜人は何が起こったんだという顔でチサトを見た。 さすがに亜人も真っ向から木を止めたことに驚愕の色は隠せないようだ。 「後悔するなら今のうちよ」 と、いうと、相手の足もとに踏み込み、先ほど同じ左ひざを突く。 それは前とは比べようもないほど重い一撃。その威力はまさに一閃のごとく。 亜人は叫び声をあげ、左足を地面に着き、ひざまずく。そこに胴体が露になる。 チサトは拳を構える。 「神宮流奥義」 亜人はちょっと待てと手を前にで出す。 が――――時はすでに遅し。 「神 宮 千 烈 拳」 亜人に無数の拳の嵐を浴びせる。 腹、肩、顎、顔など上半身すべての部位に猛打を浴びせる。 亜人の巨躯が3メートル彼方へ吹っ飛ぶ。 そのとき、チサトは気づく。 (しまった!やりすぎたわ、地面に倒すだけだったのに……) 亜人は倒れたまま、起き上がらない。 あれぐらいタフな体をしているから死にはしないと思うが、少し心配になってきた。 チサトは亜人のところへと近づく。 が、その途中で膨れ上がった腕がしぼみ、体が急に重くなる。 (反動!?まだ、1分弱しか時間はたっていないのに。これがルシファーの言う制限ってやつなの) ふらふらとなった体を無理やり奮い起こし、亜人のところまで歩く。 そこにたどり着くと同時に、亜人の生死を確認する。 上半身が傷だらけだが命に別状はないようだ。 自分でやったとはいえ、ぼこぼこに歪んだ顔を見ると、とても痛々しい。 (こいつの目が覚めるまでここで待機しておくか。休憩しないと私も動けないしね) チサトは回復の足しにならないかと亜人のパックから支給品を勝手に覗く。 中には盾、鎧とペットボトル二本があった。回復とは程遠い物があり、チサトは残念に思いつつ説明書を読む。 しかし、説明書を読むと自分に適した物があった。 それは自然治癒力を向上させる鎧である。でも、なぜかヅラ付きであった。 チサトはその鎧もといコスプレのような服を着るのに抵抗があったが、 疲労を回復したいのと服の袖がビリビリなった今、やむなくそれに着替える。 しかも、ヅラを付けないと治癒効果は発動しないらしく、それもしかたなく付ける。 チサトは木に腰掛け亜人が起きるのを待った。 ガルヴァドスが起きるころには時間は午前へと移り変わった。 【E-6/朝】 【チサト・マディソン】[MP残量:20%] [状態:全身に筋肉痛、疲労大] [装備:フェイトアーマー@RS・パラライチェック@SO2] [道具:七色の飴玉×3@VP・荷物一式] [行動方針:主催者打倒、首輪をどうにかするために味方を集める] [思考1:亜人が目覚めるのを待つ] [思考2:仲間を探す(レオン・プリシス優先)] [現在位置:道の先端] 【ガルヴァドス】[MP残量:100%] [状態:気絶、左ひざに大打撲、上半身に無数の大打撲] [装備:なし] [道具:パラスアテネ@SO2・ガソリン入りペットボトル×2・荷物一式] [行動方針:最後まで生き残る?強き者に従う] [思考1:???] [現在位置:道の先端] ※ガソリンは合計で4リットルあります。 【残り57人】 第18話← 戻る →第20話 前へ キャラ追跡表 次へ ― チサト 第63話 ― ガルヴァドス 第63話